雛子の毎日

60代主婦の泣き笑いの毎日

モノの数

私は子どもの頃、

モノの数は少なかった。

時代もあっただろうし、

地域(田舎ですぐに買い物に行けない)もあっただろうし。

 


ただ、良く言われたのは

「お前は生まれた時の名付けさんに

二十歳をすぎたら、来た縁談に選り好みせず

一日も早く嫁に出せといわれている。

稼ぎの少ない相手でも、

貧乏な家でも

舅姑、大姑、小姑が沢山いても。

だからどんなキツい家族でも

どんな貧乏でも暮らしていけるように

躾をしてやっているのだ。」と。

 


だから妹は私のお下がりも含めるので、

単純に倍は持っていた。

 


下着なども母は2枚買ったら1枚だけ私にくれた。

もう1枚は妹が大きくなったら使うのだという。

 


洋服ももちろん、

下着も少ない枚数しかなかった。

何曜日体育で着替えるから

綺麗な新しめのあの下着を着たいから

というふうに

数日前から計算して下着をつけるようにしていた。

なのに、雨だったり、母の都合で

計画通りに洗濯されなかったりして

焦ったり。

 


ハンカチも。

市販の可愛いハンカチは2枚で、

あとは葬式で配られた真っ白いハンカチに

自分で刺繍したものや

端切れを縫って自分で作ったようなものだ。

出かけ時やハンカチを人前で出すような日があると

それに合わせて考えた。

 


いつもいつもそんな計算をしていた。

 


自分で買えるようになったら

タガが外れたように

下着もハンカチや靴下も

洋服も

タンスや引き出しいっぱいになっていると安心した。

いつ、何が起ころうと

恥ずかしくない下着やハンカチがある。

余計な計算をして下着やハンカチを選ばなくていい。

 


そのくせ、お気に入りを買っても

勿体無くてすぐに使えなかった。

一軍の洋服や下着やハンカチは

いつも大事に残しておいて

使うのは二軍から。

使い切ったら時代遅れになった一軍を

二軍に下げるのだが

サイズが合わなくなったりして

数回しか着ないまま処分したり。

だからいつもいつも二軍ばかり使っていた。

 


子ども、特に娘が産まれてからは

娘にはそんな私が少女時代

いつも計算ばかりしていたそんか思いをさせたくなくて

タンスや引き出しいっぱいに

下着も服もハンカチも買い与えた。

 


物心ついたあたりから

「もう買わないで」

「たくさんあるから欲しくない」

「私は物を持ち過ぎている」というようになった。

 


それでも最近までちょっと気に入ったようなら

すぐに買い与えたし

下着やちょっとした洋服は勝手に買ってきたりした。

 


いつもタンスや引き出しは満杯になり

収納率は常に120%だった。

 


ただ、娘は気に入って買うとすぐに使う。

洋服でも鞄でも靴でも。

使わないと余計にもったい、と。

たしかにそうだ。

私は勿体無いことばかりしている。

 


例えばこんなふうに。

 


https://andante8113.hatenadiary.com/entry/2021/07/25/054618

 


コロナ以降、娘にも随分助けられ、

随分断捨離をした。

 


それでも私は娘に比べると

持ち物は多い。

でも以前のように管理しきれない数ではない。

「今日はどれにしよう」

「これも着たい、あれも持ちたい。」

そうやって悩んだり選んだりするのが楽しいのだ。

 


クローゼットがパンパンなのに着る服がない、というのはダメだと思う。

クローゼットにたくさんある服を

どれも着ていきたくて迷うのはシアワセなのだ。

 


でも娘と私はちがう。

当たり前だけど。

 


どれにしようか迷っている時間が勿体無い。

迷うのがストレスだという。

選択肢が少ない方が楽なんだそうだ。

 


幼少期、足りない物をやりくりすることに疲れた私は

沢山のものに満足し、

幼少期、物に溢れた娘は

少ない物を管理することが楽だという。

 


人それぞれ。

もう還暦間近になって

ようやくモノの管理ができるようになってきた。

 


ちなみに幼少期、私の倍の物を与えられた妹だが、

後から聞くとそれはそれで嫌だったらしい。

今、妹はミニマリストに近い。

少ない物で暮らしているようだ。

 


今日も読んで頂き、ありがとうございました。