雛子の毎日

60代主婦の泣き笑いの毎日

頭をよぎった事が現実になったとき

去年の春、

2月に話題になった例のダイヤモンドプリンセス の船旅に行く予定だった。

あの後、神戸港から出港する予定だった。

キャリーに荷物を詰め、

既に荷物は神戸港に着いていた。

 


その一年前、それ以前から

両親は私と妹と4人で船旅に行きたがった。

 


モラな父は、計算高い母だから

仲良くなっていけている。

最初はもう随分前になるが、

我が家はまだ受験生を抱えていた時期に

子どもがいない妹夫婦を誘って10日間の船旅へ。

 


船旅後、

両親(主に父)からも

妹からも

それぞれに相手の悪口を聞かされ

どちらも一方的だが

かなり決裂した様子だった。

 


その数年後、

息子が大学院を卒業し、就職する春休み

父が息子を誘い、中央ヨーロッパへ10日間の旅行へ。

 


帰国後、父からは散々息子の悪口を聞かされた。

が、実はそれ以上、妹に息子の悪口を言っていたらしい。

息子は多くは語らなかったが

「おじいちゃんとは1週間が限度。10日は長すぎた?」と。

色々あったのだろう。

 


その後、私はモラ夫ではなく

大学院へ進学する前の春休みの娘と

誘われてイタリアへ8日間。

娘と一緒だったこともあり

覚悟していた亀裂はなかったが、

娘がローマ三越で買ったフェラガモのバレッタを買ったことで

「贅沢だ」

「身の丈に合ってない」

から始まり、

私の教育にまで悪口を妹に散々言ったようだった。

 


だが、翌年にはまた

娘と私がクイーンエリザベス号の船旅に誘われた。

多少の緊張した場面はあったものの、

無事帰国。

これ以上、私や娘の悪口をいう相手も妹以外にはいないので

両親も言いたいことは両親だけで言い合っていたようだ。

 


その翌年には

娘は社会人となっていたので

私だけが両親と、

コスタネオロマンチカの船旅へ。

 


この時に思い知ったが

以前の娘とも一緒の時は

部屋は娘と私に別の部屋をとってくれたからよかった。

両親と3人

エクストラベッドでは

部屋も狭くなるし

洗面やトイレも大変だった。

 


次のダイヤモンドプリンセス は

妹と4人一部屋だ。

 


そう思うと

船旅が近づくにつれ

だんだん気が重くなってきた。

妹と色々LINEしあい、

2人で色々覚悟をし、

こんなことなら頑として断ればよかった。

船でも沈没して船旅が不可抗力で

中止になればいいのに、

なんて半分冗談で言っていた。

 


その矢先のコロナだった。

本当に不可抗力で船旅が中止になったときは

内心、良かったという気持ちと

ちょっと恐ろしくもなった。

 


両親が私たちを連れて行きたがっていた

ダイヤモンドプリンセス 。

両親と私と妹の4人で行きたがっていた船旅。

 


私にしても全額両親持ちで

豪華客船の旅を楽しめるなんて。

 


モラ夫となんて絶対一緒に行けやしない船旅。

もう両親のみならず

私だって死ぬまで最後だったかもしれない船旅。

 


いざ行けたら、

それはそれでしんどかったかもしれない。

 


でも心の中で無くなれば良いなんて

いけない事を考え

その通りになってしまったことが

少し恐ろしく思う。

 


当時、船会社から

コロナで中止になったクルーズ、

旅行代金は全て返金されたらしいが。

一年以内なら無料で

しかもバージョンアップしていけると言われていて

両親は半年後(つまり去年の秋)に

仕切り直しでまた4人で、と誘ってきた。

 


コロナがどうなるかわからないし、など

私も言葉を濁し

妹は、もうコロナは終息しないから行けないと。

 


どうやら諦めて両親2人で行こうとしていたが

コロナはそんな甘くなくて今に至っている。