雛子の毎日

60代主婦の泣き笑いの毎日

噛み合わない家族(実家)⑦

妹への非配偶者間人工授精コールは

妹が40歳を迎えるまで続き、

ようやく10年くらい前、

妹が45歳を迎えるくらいに両親は諦めた。

 


https://andante8113.hatenadiary.com/entry/2021/10/22/054835

 


私への娘を養女にコールも、

モラ夫がはっきり断ったことで諦めた。

 


その間、両親はそれぞれを誘って旅行へいく。

まずは妹夫婦と船旅へ。

次に息子が社会人になる年の春休みに中央ヨーロッパへ。

娘が大学卒業時の春休みには私と娘をイタリアへ。

娘が社会人になる年の春休みには私と娘を船旅へ。

 


旅行に行くたび、

1週間、10日と生活を共にすることになり

旅行代を全て出してくれているにもかかわらず

皆を敵に回した。

 


妹夫婦を再び、

息子を、

娘を、

皆を実家に寄り付かなくしてしまった両親。

旅行から帰るたび、

誰も寄り付かなくなって行く。

 


最後に妹と私を連れて4人で船旅に行きたいと言ってきた両親。

誘われてからまる2年、妹はがんとして首を縦に振らなかった。

旅行が大好きで全額両親持ちだからと

気楽に考える私は割とすぐにOKした。

 


その事が、妹を追い詰めてしまう。

 


旅行に行けない理由をのらりくらり

ご主人のせいにしたりしていたが、

そうなるとご主人が標的になった。

子どもも作れないくせに、

妹の人生のみならず、

両親の人生も台無しにしたくせに。

流石に妹のご主人に直接は言わないが

その分、妹へ言いたい放題責め立てる事になった。

 


ちょっとしたことを

そんなつもりもなく何気に発した言葉を捕まえ

ご主人の悪口を言い責め立てる。

 


私も、ふと何も考えずに言った事が

そのきっかけになってしまい、

要らぬ事を言ってしまったと後悔したり

妹に申し訳なく思ったことが何度もある。

 


だが妹は賢かった。

どんなに悪口を言われても

一貫してご主人を庇い、

それ以上言うならもう実家には来ないと

最後の印籠を出したのだ。

 


妹の1度目の結婚が失敗に終わったのも

もちろん本人同士の問題もあっただろうが

こうやって私が見ていないところで

妹は両親と元ご主人の間で疲弊させられ

夫婦仲に影響したのではないかと

想像できる。

 


まぁ、それだけ両親は妹に期待して

生まれた時から大切に育てた証拠かもしれない。

 


私がそこまで標的にならなかったのは

他所にやった子、と言う期待薄だった事で助かったのだ。

 


だが、最後の最後に

死ぬ前に、家族4人で船旅がしたい、

そう両親に何度も懇願され

また、ここまで懇願されているのに

行かなければ

万一両親が亡くなったり

身体が不自由になってから

死ぬ前に心残りだと言いながら死なれたら

「あの時行っておけば」

と後悔することになるかも。

ついに覚悟を決めた妹、そして私。

 


地獄の8日間、

修行の旅、

と覚悟をしつつ、

だんだんと旅行の日が近づくと憂鬱になってきて

冗談で「船が沈没するとか、ミサイルが落ちるとかして行けなくなったらいいのにね。」

そんなふうに言ったのは私だ。

 


行く前から荷物のことや服装のこと、

寄港地の観光、

色々指示や命令がある。

「全額両親負担で行くんだから、とにかく何を言われても言われたとおりにしよう。」

そう妹と誓い合った。

行く前から2人のLINEは長々と不満と慰め合い、励まし合いだった。

 


いざスーツケースも宅配で神戸港に送った後だった。

コロナという病気が出た、と。

ダイヤモンドプリンセスの乗客だと。

 


ニュースは日に日に大きくなった。

「キャンセルしようって両親に言わない?」

「言えないよ。」

そんな中、

「マスクをたくさん持っていけ」

「ゴム手袋を持っていけ」

「花粉用のメガネかゴーグルがあるなら持っていけ」

父から命令が出る。

そこまでして行かなきゃいけないの?

 


そんな時、妹と2人してネットニュースなどをしょっちゅう見ていて、

妹からLINEがきた。

 


ダイヤモンドプリンセスの旅行会社から

船旅を中止し、全額返金する旨の発表がされている!と。

 


「船が沈没したら」なんてことを

縁起でもないことを口にした恐ろしさに

身震いした。

 


つづく。

 


今日も読んでいただき、ありがとうございました。