そりゃそうだ。
父は今世間を騒がせている三菱UFJの銀行員だった。
いろんな支店から人事部や支店長も経験した
いわゆる出世した勝ち組だ。
モラ夫は、「ラッキーボーイ」と密かに呼んでいるが、
今は改変で統合されてなくなったような三流高校から
三流私立大学を出て
中小企業に就職した。
ただいまだに当時の会社の人と
年賀状のやり取りは残っているくらい
可愛がってもらったようだった。
モラ夫の兄(モラ夫の家族は複雑で、兄ではあるが戸籍上は従兄弟になる。)は苦労の末、医者になり
モラ夫の実の両親も苦労して開業させた。
医師免許も何もあるわけじゃないモラ夫だが
少々経理の勉強をさせてもらって
病院の財務責任者にさせてもらっている。
ラッキーボーイだ。
なので、結婚当初から
父は言動の端々でモラ夫をバカにしているのがわかった。
モラ夫も何も言わなかったがわかっていただろうし
そんな父と仲良くする気もなかっただろうし
好きではなかっただろう。
三菱三菱と自慢する父が嫌いだっただろう。
三菱自動車が不正を起こしたこともあるが、
私がコンパクトカーを買う相談をしたら
「三菱以外なら」と言った。
家電を買う時も
「三菱以外なら」とやはり言った。
実家でエアコンや家電を買い替える話になり
何を買ったか、という話になり
父は判で押したように三菱電機を勧めてくる。
モラ夫が「いやだ」と言ったから日立にしたとか
パナソニックにした、というと
「アイツ(モラ夫)はワシのことが嫌いやからな。
だから三菱は嫌いなんや。」と父。
ああ、わかってたんだ。
今回、貸金庫の横領やなんやで
テレビで大々的にニュースになった。
モラ夫はニヤリと笑った。
「また三菱か。」と。
今日も読んで頂き、ありがとうございました。