雛子の毎日

60代主婦の泣き笑いの毎日

お茶湯

うちの地域の風習で 

「お茶湯」(おちゃとう・おちゃと)というものがある。

 


http://naniwaji.sub.jp/obon.html

 


お盆の時期に1日に何度もお茶を仏壇にお供えする。

 


私が子どもの頃から母がやっていた。

よくお茶湯をしておいて、と頼まれた。

 


淹れたお茶が冷めたら

熱いお茶を入れ直す、と言われた。

夏なので、2時間くらいはほんのり温かい。

朝5時前に起きたらまずお茶をお供えする。

お茶湯用の湯呑みがあり、

位牌の数だけ湯呑みがある。

 


だいたい2時間おきにお茶を淹れなおし

日が暮れるまで繰り返す。

日が暮れる頃、仏壇から湯呑みを引いてくる。

 


実家では入れ替えた冷めたお茶をバケツに溜め

夕方まとめて軒先の溝に流した。

「餓鬼に心情」(ガキにしんじょ)と唱えながら流す。

 


嫁いだ先の今の家も同じ地域なので

やはりお茶湯の風習はあった。

だが姑は実家の母に比べたらお茶を入れ替える回数も少なかったし

冷めたお茶は都度流しに流していた。

 


姑から仏壇を任された当初は 

(姑も施設に入ったので)

実家でやっていたようにバケツに冷めたお茶を溜めていたが

いつのまにか姑のように流しに流すようになった。

 


夕方、その日最後のお茶湯をお供えしたら

翌日朝まで供えたまま、というのも姑流。

 


先日、お盆に実家に立ち寄り

お茶湯の話になった。

 


我が家は8月8日にお坊さんが経木を持ってきてくれた。

実家は8月10日に来たらしい。

 


私は、経木を持って来てくれたら

その経木はご先祖様。

経木を仏壇に置いた時点からお茶湯を始める。

もちろん外出したりもするので

朝お供えしたまま夕方までほったらかしにすることもあるが。

在宅している時はお茶が冷めた頃に淹れなおす。

そして16日の午後3時に経木のお焚き上げをお寺でするので、

16日の午前中か、無理なら15日の夕方16時ごろまでに

経木をお寺に持って行く。

 


経木をお寺に持っていくのは

ご先祖様を送り返すということで

最後にお茶湯をして送り出す。

その後は普段通り、1日一回朝にお茶をお供えするだけ。

 


なので私は約1週間、お盆の間はお茶湯をしている。

 


だが、母は13日から15日の三日間しかしないらしい。

その代わり、その三日間は外出もしないで

仏壇の守りをする。

そういえばお茶だけじゃなく

3食ご飯を炊いて精進料理をお供えしていたなぁ。

今はお茶しかしていないようだけど。

 


今は実家も廃止になったらしいが、

15日の午後3時ごろから

「送り団子」をつくり、

お弁当を作って、経木と一緒に

村の「送り場」へ持っていった。

 


翌朝お当番の人が回収して経木もまとめてお焚き上げしていたらしい。

 


これも猫やイタチなどがやってくるからと廃止になったらしい。

 


正式な作法はもうよくわからないが

お盆はご先祖さまの里帰り。

自分のやり方で気持ちでやればいいんじゃないかな。

 


今日も読んで頂き、ありがとうございました。