雛子の毎日

60代主婦の泣き笑いの毎日

思い出の価値

久々に通帳記入に行った娘。

「お金が無い!」とひとしきり大騒ぎ。

 


だけど、家に生活費を入れるでもなく

洋服などもなんだかんだ買ってやっているというのに。

 


そもそもフリーランス

収入が減ったんじゃないの?

 


先月はコロナで

最初の数日だけだったが、

私に代わって家事をして

体温計やらアルコール消毒やら

買い物もたくさんしてくれたけど。

 


少し前からうまくいかない婚活から

生活を見直そうとしている娘。

断捨離や片付けを始め、

持ち物を少なくするようにしている。

 


礼服などは別として

洋服でもバッグでも

活躍するものだけを所有し、

使わなくなったもの

使う頻度が極端に少ないもの

持たなくても他のもので代用できて困らないもの

そんなものは処分している。

処分と言っても、捨てるものも売るものも。

 


「サンローランのバッグを売ろうかな。

いくらくらいの値がつくかな。」

と言う娘。

 


社会人になって初めての夏だったと記憶するが、

高速バスに乗って行ったアウトレットで買った

サンローランの紺色のハンドバッグだ。

 


アウトレットに行く前から

ちょっと頑張って買うバッグをねらっていたらしい。

迷いに迷って

何度もお店に入っては考え、

他のブランドも覗きながら

何周もアウトレット内を歩き回った。

 


2度目にお店に入ったら声をかけかられ、

3度目にお店に入ったら

「おかえりなさいませ」と言われ

4度目にお店に入ったら

迷っていたバッグ、色違い3色を並べてあった。

 


「買えば?

と言うか、買ってあげようか?」

と言う私に

「こういう高価な買い物は自分で買いたいの。」という娘。

そしてついに買った。

確か10万では足りない金額だったはず。

 


最初は何度か持っていた。

ギリギリA4サイズのクリアファイルが入るし

生徒のコンクールなど

荷物の少ない時だったり、

プライベートで友人と出かける時に持っていた。

 


それから数年後、

婚活用にとやはりアウトレットで

トッズの白いハンドバッグを買った。

これは婚活お見合いや仮交際にヘビロテだ。

友人とのプライベートでも持っている。

 


そして仕事にも持てる大きさの

フェラガモの白いトートバッグも

1年ほど前にやはりアウトレットバーゲンで買った娘。

こちらもヘビロテ。

 


結局、サンローランは

無難に、と紺色を選んだのが少し暗く

かっちりしたデザインが持ちにくく、

小さいハンドバッグならトッズのものを、

もう少し荷物があるならフェラガモのトートバッグを

二つを使い分けるようになって

サンローランが中途半端になったらしいのだ。

 


それで、売ろうかな、というわけだ。

 


なんとなく目の前に活躍させきれないバッグがあると

それが気になるようだったので

私が預かる、ということにした。

 


色々考えて、売りに出したらいくらの値がつくかわからないが

10万で足りなかった15万くらいだったはずなので

5万円で私が買い取ることにした。

その値段が高いか安いかわからないが。

 


私もヘビロテさせる自信はないが

この先2ヶ月の間に2回は持っていけそうな場所がある。

もちろん娘から買い取らなくても

他にもバッグはいくつか持っているし困らないなだが。

 


私は娘とアウトレットを何周も歩き回り

何度もお店に出たり入ったりし

「おかえりなさいませ」と言われて二人で苦笑した

そんな思い出深いバッグを手放すことが考えられなかった。

 


ただ、断捨離には「思い出」が一番ネックで

そして一番不要だともいう。

 


「お母さんって、思い出に付加価値をたくさんつけるんだね。」と言われたが。

 


とりあえず5万円で買い取って私のクローゼットに収納した。

いつかまた必要なら返すし、

というか、お互いバッグは貸し借りOKだし。

 


やっぱり断捨離には

私より娘の方が向いてるかも。

 


今日も読んで頂き、ありがとうございました。