父は来年年明け早々89歳。
1年半前に運転免許を返納した。
事故を起こすこともなく、
年々更新が大変めんどくさいシステムになって
潔く車を降りた。
私の運転を期待しているが
なんだかんだと逃げてきた。
あの年代の人って
何故タクシーを使わないのか。
お金がないならともかく、
有り余って困っているのに。
最初は面倒でも
何度かタクシーを使ううち、
ああ、桃田さんちか、
ならあそこまで迎えに行こう、なんて覚えてくれるし、
なんならお釣りを少々チップにしたりしたら
「桃田さんならワシが行くわ」と
喜んで来てくれるドライバーもできるだろう。
なんでかタクシーは使わない。
先日、石油ストーブの石油がなかなか買えないから
それを買いに連れて行け、と。
葉牡丹の苗もほしい、と。
わざわざ安いホームセンターと
わざわざ安いガソリンスタンドへ送迎だ。
石油なんてちょっと割高でも
しょっちゅう売りにくるし、
葉牡丹の苗も近くの花屋にいっぱい置いてある。
ケチだからお金が貯まるのか
お金持ちはケチなのか。
で、桃田家は豪邸だが、昔ながらの道は狭い。
狭い行き違いできない道沿いにガレージがある。
ゆっくり車庫入れなどできないし、
後ろから車が来たら退避する場所もないから
ただひたすら車庫入れを待たせる。
なので、桃田家が所有する貸し駐車場の一番端を
私用にしてもらっている。
貸し駐車場から桃田家は徒歩1分。
ガソリンを買いに行かされる予定日より前に
桃田家に行く用事ができた。
「明日朝の10時半ごろ行きます」と知らせたら
父からLINEがあり
「朝10時にはガレージのシャッターを開けておくから
ガレージに入れてください。」と。
いやいや、あんなガレージに車庫入れは無理!
絶対無理!
無理だと断った。
ふと閃いた。
なぜ急にガレージに入れろと?
そうだ、翌週には石油や苗をたくさん買いに行かされるのだ。
貸し駐車場に停めたら
その石油や苗は何度も往復して運ばねばならない。
ガレージに車庫入れさせたら運ぶのも楽だ。
これから先もなんだかんだ買い物に行かせたり
送り迎えさせるのに
貸し駐車場までたかだか1分とはいえ、
歩いて移動せねばならない。
体調が悪かったり、天気が悪かったり
荷物が多かったりしたら大変だ。
ガレージに車庫入れしたら楽だ。
その練習に車庫入れさせようと魂胆が見え見えだ。
いったいどこまで甘えてくるのか。
やっぱり冷たいくらいの関係がいい。
今日も読んで頂き、ありがとうございました。