雛子の毎日

60代主婦の泣き笑いの毎日

懐かしい人を見かけた

まだ子どもたちが幼稚園や小学校くらいだった。

スイミングのママ友だった人。

彼女・沙莉さん(仮名)の次男さんと

うちの息子が同じ学年だった。

沙莉さんには四つか五つ上に長男さんもいた。

 


よく中学受験の話などをした覚えがあったが

長男さんの受験結果は知らないから

小学校低学年くらいでお互いスイミングも

フェイドアウトして疎遠になってしまったのだろう。

 


その沙莉さんを何年かぶりに見かけたのは

市の半官半民的なオーケストラのコンサートだった。

 


そのオーケストラは

「友の会」という名目で、

1口1,500円の年会費を納める。

すると年に一回あるコンサートのチケット

1枚千円のチケットが2枚送られてくる。

 


お得だから家族や知り合いがオケのメンバーなら

友の会に入るだろう。

知り合いがいなくても入る人もいるはずだ。

 


私のようにチェロ友のナミネさんと

2人で500円ずつ出して友の会に入り

コンサートに行ったりもする。

 


友の会としてまとまった入金があるのは

オケにとって活動資金になるし

送ったチケットで聞きにきてくれたら集客にもなる。

なかなか良いシステムだ。

 


さて先日はナミネさんの都合が悪かったので

私1人でコンサートに行ってきた。

プログラムのオーケストラメンバーをみて

知った名前を見つけた。

それが沙莉さんだ。

 


名簿の第二ヴァイオリンのトップにある名前。

コンサートが始まったら

沙莉さんは第一ヴァイオリンのコンマスの隣に座り

第二ヴァイオリンのリーダーとして

コンサートを牽引している。

 


沙莉さんが、ヴァイオリンを弾くとは知らなかった。

大人になって始めたのでは

第二ヴァイオリンのリーダーはできないし

小さい頃から習っていたのだろう。

もしかしたら音大とか教育大を出ているのかもしれない。

スイミングのママ友時代は

お互い自分のことは話すこともなかったので

知らなかった。

息子さん2人にはピアノを習わせていたので

音楽には精通していたのだろう。

 


当時とそう変わらない容姿で

ヴァイオリンを弾く沙莉さんは

とても美しくて輝いていた。

子育ても終え、自分の道をしっかり歩いている感じだった。

 


終演後、少し待って声をかけようか迷った。

私は卑下しているわけではないが、

数年前からグレイヘアー にした。

なので髪は真っ白だ。

どうしたって老けて見える。

グレイヘアー でもオシャレに、を

いつも気にかけているとはいえ

久しぶりに会う人には声をかけても誰かわかってもらえなかったり

目の前を総無視で通り過ぎられたこともある。

 


そうして結局声をかけることができず

そそくさとコンサートホールを後にした。

 


なにも恥ずかしいことはないはずなのに。

コミュ障だわ、私。

 


今日も読んで頂き、ありがとうございました。