雛子の毎日

60代主婦の泣き笑いの毎日

シャイロックの子どもたち

久しぶりに映画を観に行きました。

 


池井戸潤が原作の「シャイロックの子どもたち」。

原作もとても面白かったし

映画ももちろん面白かったです。

 


メガバンクのある支店で

100万円が紛失した、という場面で。

 


女子行員が私物のロッカーを

互いに確認し合う場面がありました。

 


実は私は結婚前は銀行員でした。

一度、10万円合わないことがありました。

最初は単なる計算ミスだとたかをくくって

人を変え、目を変えて計算し直したり

現金を数え直したりしました。

 


10万円って一番いやらしい金額です。

一万円札もあり得るし

千円札なら100枚の束です。

百円玉なら袋一本。

しかも当時、昭和天皇御在位記念の

10万円金貨も出たばかりの頃でした。

 


だんだんとフロアが殺気立ち、

皆に焦りが出てきました。

 


何度数え直しても計算し直しても

間違いは見つかりません。

 


硬化一枚足りないなら

ゴミ箱に落ちてしまったとか

男性のダブルのズボンに挟まったとかもあるでしょうが。

そういう金額ではありません。

 


とうとう、全員のポケットや私物のポーチを出し合って確認し、

ロッカーの中も互いに確認し合いました。

 


確認って。

 


言葉は柔らかいけど

お互い調べ合うってことです。

ロッカーの中にはあんまり見られたくない

下着の予備やらもあります。

通勤バッグやポーチの中も全て調べ合いました。

 


どんな化粧品を使っているとか

どんな通勤バッグにどんなものを入れているとか

友達同士気軽に見せ合うことはありますが

いくら同性でも見られたくないものもあるし

見られたくないだろうな、と思いながら

見なくちゃいけないのも嫌でした。

 


あれからもう35年は裕に超えています。

結婚を機に退職したので。

 


それなのに、映画のそのシーンをみて

映画館で1人でソワソワしてしまいました。

 


何年経っても

辛かったことや嫌だったことって

忘れることはできないんですね。

 


今日も読んで頂き、ありがとうございました。